想いのカケラ

作詞* ムゲツ 様  作曲*古賀直樹 様 mix*谷口
 視界はいつもコンクリートの灰色 
 水たまりで知る 今日の空のご機嫌
 すれ違う猫は尻尾揺らしながら 歩く
 僕のことなんて目に映っていないようだ

 朝また目覚めて 未だ(いまだ)此処かと溜息をついて
 道端 つま先見つめてひたすら歩いていく
 想いは あの日あの時在ったはずなのに
 此処には カケラすらも残ってはいないから

 眠ろう 僕にだけ優しい優しい揺り篭で
 夢なら 君といたあの場所に戻れるから
 想いは あの日あの時在ったはずだから
 お願い もうあと少し眠ったままでいて



 夕暮れ 鐘の音と同時に去る 子ども
 佇む君の髪 風がふわりとさらう
 言葉を待つ君に僕は下を向いたまま
 拳握り締め黙って立ち尽くしてただけ

 朝また目覚めて 予感に震え僕は走り出す
 道端 解けた靴紐踏んずけて転ぶ
 想いが 同じように在ると信じていたくて
 其処には カケラぐらい残っていてほしい

 涙を 流せるだけの勇気があったなら
 後悔 することを知っていたはずなのに
 息切って 辿りついたあの場所にはもう
 やっぱり 少しのカケラすらも残っていない


 もう とっくに 知ってる
 君は 未来(まえ)へ向かっているのに
 そう あの時過去(まえ)から 動けないのは…


 僕だけ 拒み続けていた未来(まえ)を見るのを
 怖くて 勇気がなかった僕が憎らしい
 進まなきゃ 優しい揺り篭はもう必要ない
 僕だけに 優しい夢に籠るのはもう終わり

 目覚めて 欠伸かみしめ深呼吸ひとつ
 道端 水たまりを踏んで靴が濡れた
 いつもは 下を向き避けていたのに気付いた
 すれ違う 猫はただ未来(まえ)を見つめていた

 明日は 晴れるといいなとか思ったりして

 しゃがんで 猫に掌差しだしたりして

 時々 少しだけ寂しくて痛いけど
 必ず 終わりがやってくるものだから
 想いは 優しい夢の中に置いていくよ
 さよなら 美しく切ない想いのカケラ